現行のクラフト袋を見直し!コストダウンする方法
近年、主原料となるクラフト紙価格の上昇や、慢性的な人手不足に伴う運送費や加工賃の高騰などもあり、クラフト紙袋の価格も上昇しております。その為、コストアップを回避するために、従来から使用しているクラフト袋の仕様、材料構成などを見直しするご相談を受けることがございます。以下に弊社でご提案をさせていただいた方法についていくつかご紹介させてもらいたいと思います。
まずは、クラフト紙袋の製造に使われる材料構成を変更することでコスト削減を行った事例をご紹介します。
①クラフト紙の使用量(重量)を削減した事例
元々、75g/㎡のクラフト紙を3層重ねて製造していたものを、少し厚い84g/㎡の紙2層に変更することで、コスト削減を実現した事例がございます。内容物によって差がありますが、20kg程度であれば、強度に問題ないことが多いのが実状です。
②ポリ内袋の厚みを薄くした事例
紙袋の内袋として利用されているポリエチレン袋は、大体0.03 ~ 0.1mmの厚みのものが多くなっております。中身の重量や形状に対して、過剰な厚み(強度)の内袋をご利用になられていることもあり、再検証の結果、厚みを0.02mm薄くすることでコスト削減を実現した事例もございます。
③ポリ内袋を無くし、最内層にポリラミネート紙を使用した事例
それ程高い防湿性が求められていないが、紙に直接触れた状態では保管が難しい製品について、ポリエチレン袋を使う代わりに、0.01~0.02mm程のポリエチレンをクラフト紙にラミネートした紙を最内層に適用することでコストを削減した事例がございます。
(副次的な効果として、製品使用後に紙袋を捨てる際、ポリエチレン袋を分離する手間が省けたとのご意見もありました。※自治体などによってポリラミレート紙の処分方法に違いがあるため一様ではございません)
以上の事例はどれも、強度や品質保持の観点から現状、過剰包装となっている袋を必要最低限の包装形態に変更することでコスト削減に繋げるといったものです。コスト削減だけではなく、材料の使用量が減ることで、環境問題への対策としても効果があるものと考えております。
次に、クラフト紙袋の製造にかかる手間を減らすことでコスト削減に繋げる方法についてご紹介いたします。
当たり前のようなことですが、1つの種類の製品を作る際には、機械のセッティングや材料の準備といった段取りに時間がかかります。極端な話、100枚作るのにも、10,000枚作るのにも同じだけ段取り(切替)時間がかかってしまいます。また、クラフト紙袋の製造については、500㎏を超えるような原紙ロールを移動させたり、大型の機械を人手で調整したりすることから、切替時間が長くかかる傾向にあります。
このため、お客様の袋の使用量などが増えるようなタイミングでは、製造ロットを増やすことで、袋の価格を下げられるケースがございます。
②小ロットの印刷入り袋をラベル付きの無地袋に変更することでコスト削減
クラフト紙への印刷には、原紙ロールセッティング、版のセッティング、インクの注入(終了後清掃)、機械の調整といったことに切替時間がかかってしまうこと、また、新たなデザインを追加する際には、版代が数千円~数万円かかってしまうことから、小ロットの印刷入り袋は、一枚当たりの値段が高額になってしまう傾向にあります。
このため、同じサイズの袋を小ロットで何種類もご使用されている場合は、無地の袋を製造し、後から製品の種類の分かるラベルを貼付する方が、コストが安くなるケースがございます。
山口包装工業では、お客様のご要望に合った最善の提案をさせていただくべく、コスト削減の方法についても知見を蓄積するとともに柔軟な対応を心掛けております。お客様の方でもこういったことはできないのかといったアイディアがございましたら気軽にご相談をしてきてください。