PE袋(内袋)入り紙袋の各仕様と使い分け
当社で多くご依頼いただく袋の一つに内袋を入れた紙袋があります。内袋と言ってもいくつか種類があります。当社では中に入れる物質の成分や特性に応じて、大きく分けてPE(ポリエチレン)袋、特殊フィルム袋、アルミ袋を提案させていただいております。ここでは、最も使用の多い、PE袋を入れた紙袋について少し詳しく説明させてもらいます。
一般的にクラフト重袋の内袋には、強度面、柔軟性、透明性、低温シール性などが優れているLLDPEの袋が多く使用されています。(他にもLDPEやHDPEなどの袋があります)
また、内袋にPE袋を使用する紙袋には、お客様のご使用の用途や目的に応じて、いくつか違った形状のものがございます。
- PE袋差し込み袋
出来上がった紙袋に後からPE袋を差し込む形状の袋になります。こちらの袋は、使用後、廃棄する際に紙袋とPE袋を簡単に分離することが可能です。また、食品工場などに納入する際に紙袋とPE袋を分離して、製品が入ったPE袋のみを工場内に持ち込むこともできます。
使用例:食品粉末、化学薬品、合成樹脂、繊維など
- PE袋縫い込み袋
紙袋とPE袋の底をクレープ紙とミシン糸で縫い合わせた形状の袋になります。
内容物の入ったPE袋入りの紙袋を投入の際に逆さまにひっくり返してもPE袋がそのまま抜け落ちることはありません。ミシン穴からの湿気の侵入や漏れなどの影響を受けず密封性、防湿性を保つためにPE袋のシール部分より下をミシン縫いします。
使用例:モルタル、化学薬品、合成樹脂、顔料、鉱産物など
- 二重PE入り袋
PE袋の中にもう1枚サイズ違いのPE袋を差し込み、2重になったPE袋を紙袋と縫い合わせた形状の袋になります。防湿性を高めたい場合などにご利用いただいくことがございます。
使用例:化学薬品など
この3形状の袋は、PE内袋を手作業で紙袋に挿入しておりますが、紙袋開口部に沿ってPE袋を折り返す口折加工を追加することが可能です。お客様が製品を充填する際にPE袋の口を開ける手間を削減することが可能です。また、異物混入リスクを下げる為に、PE袋の開口部を閉じたままにする事や紙袋の内側に収める加工も可能です。
袋を封緘する方法は様々ですが、ヒートシールにて熱圧着で封緘したり、PE袋を手で縛ったり、インシュロックで結んだりした後にクレープ紙をミシン掛けして封緘するのが一般的です。
続いて、手作業なしで作られるPE内袋入り紙袋のご紹介です。機械のみで製造する袋は、製造ロットが大きくなりますが、手加工品よりも単価が安くなる傾向にあります。
- 内層PE袋(マチなし)
マチのない袋の内側に長さ、幅の同じPE袋が入った形状になります。開口部付近で紙層とPE袋をボンドでつけており、お客さんが開口部を開き、製品を充填し、ヒートシールを行う自動機械を使われる場合に使用されています。
使用例:業務用洗剤、化学薬品、合成樹脂、米粉など
- マルチ袋(マチあり)
マチ付きの内層PE袋になります。内層PE袋と同じで外側の紙袋と内側のPE袋の長さが同じで、開口部付近でボンド付けされている形状になります。マチ付きのため内層PE袋に比べて積載効率がより向上します。
例:化学薬品、活性炭など
- Z折り加工PE袋
内層PE袋のPE袋が紙袋より長くなっており、紙袋の中でZ状に折り込まれた形状になります。機械加工でPE袋が織り込まれているため異物混入のリスクが抑えられます。PE袋を縛って封緘することが可能で、かつ自動充填にも対応できる仕様もございます。
使用例:食品粉末、化学薬品、合成樹脂など
これらの袋は、オーバーテープを使った熱圧着やヒートシールで熱圧着し、クレープ紙をミシン縫いして封緘する形が一般的です。
当社では、様々な業種に納品実績があり、経験豊富な営業マンが対応いたします。密封性、防湿性を求められる製品や粉漏れなどに対策が必要な製品などがございましたらお気軽にご相談ください。