クラフト紙袋にも使用されているケアマーク
画像にあるようなマークを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
このマークは荷扱い者の安全や荷物の保護のために利用されている
「荷扱い指示マーク(通称:ケアマーク)」と呼ばれるものです。
中身が見えない荷物がどのように扱われるべきか、何に注意するべきかという内容を示している図記号で、
JIS規格(JIS規格番号 JIS Z 0150)に、「包装貨物の荷扱い図記号」という形で18種類が記載されています。
ケアマークはその荷物の取り扱い方法を簡単なイラストを使うことで
予測させるピクトグラムの要素を持っています。
文字のみの表示に比べ、荷扱い作業者に意図が伝わりやすく、損失、損傷の削減につながると言われています。
また、日本語で表記された指示は、海外に輸出した際、
現地の作業者に理解してもらえない可能性が高くなります。
JIS Z 0150は国際規格であるISO(780)に基づいて作られているため、
記載されている図記号は、海外でも通用するものになります。
海外に輸出される荷物については、図記号に加え、日本語、英語の2か国語での表示をすると
より意図が伝わりやすくなるかと思います。
当社で製造しているような産業用・工業用の容器であるクラフト紙袋にも
お客様の要望でケアマークを印刷することがあります。
クラフト紙袋の印刷は少ない色数で行いますので、
簡単なイラストであるケアマークは荷扱い指示に便利なマークだと言えます。
ご参考までに、JIS Z 0150に記載されている「包装貨物の荷扱い図記号」を簡単に載せさせていただきます。
詳しい内容につきましては、日本産業標準調査会のウェブサイトにアクセスしていただくと、
JIS規格の原文をダウンロードすることが可能ですのでそちらをご確認ください。
(ダウンロードには、利用者登録が必要となります)
JIS規格検索画面 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
①
重心位置:CENTRE OF GRAVITY
包装物の重心位置を示した目印
②
吊り位置:SLING HERE
包装物を吊り上げる際にスリングをかける位置の目印
③
こわれもの:FRAGILE
内容物が壊れやすい品物のため、取り扱いの注意を示している
④
手かぎ禁止:USE NO HAND HOOKS
荷物を引き寄せる道具である手鉤の使用禁止を示している
⑤
ハンドトラック使用制限:DO NOT USEHAND TRUCKHERE
ハンドトラックにて包装貨物を取り扱う際に、このマークがある側から差し込んではいけない
⑥
取扱注意:HANDLE WITH CARE
衝撃を与えないように、丁寧な取り扱いの必要性を示している
⑦
フォーク差込み禁止:USE NO FORKS
包装貨物をフォークリフト等の装置で取り扱ってはいけない事を示している
⑧
クランプ禁止:DO NOTCLAMP ASINDICATED
包装貨物をクランプタイプの装置ではさみ取り扱ってはいけない事を示している
⑨
クランプ位置:CLAMP ASINDICATED
包装貨物をクランプタイプの装置で包装貨物を取り扱う際にはさむ場所を指定している
⑩
転がし禁止:DO NOT ROLL
包装物を転がしてはいけない事を示している
⑪
水ぬれ防止:KEEP DRY
包装物に雨ぬれや水ぬれがないように取り扱う必要性を示している
⑫
直射日光遮へい:KEEP AWAY FROM SUNLIGHT
包装品に直射日光があたらないように取り扱う必要性を示している
⑬
放射線防護:PROTECT FROM RADIOACTIVE SOURCES
内容物が放射線の透過による劣化や使用できなくなることを示している
⑭
上方向:THIS WAY UP
包装物が正しい方向にて取り扱われるよう上方向を示している
⑮
温度制限:TEMPERATURE LIMITS
包装物の保管・取り扱われる際の最高温度を右上、最低温度を左下に示している
⑯
上積み質量制限:STACKING LIMIT BY MASS
包装貨物の上に積み重ねることができる最大重量が示されている
⑰
上積み段数制限:STACKING LIMIT BY NUMBER
包装貨物の積み重ねの際に最も下の貨物に積み重ねることができる最大数が表記されている
⑱
上積み禁止:DO NOT STACK
包装貨物の上に積み重ねる事、または過重を加えてはいけないことを示している
以上となります。
※ご案内いたしましたJIS規格記載の荷扱い指示マーク(ケアマーク)のうち当社で紙袋に印刷実績があるのは③④⑥⑪⑫となります。