EUへ輸出する食品のプラスチック包材の規則について | クラフト紙袋・米袋・工業用原料袋の製造なら山口包装工業株式会社

EUへ輸出する食品のプラスチック包材の規則について

今回のコラムでは、EU加盟国への食品や食品原料の輸出を検討されている方々向けに、プラスチック製の包装資材を使用する際に適用される規則、また、必要な手続き等についてその概要をご紹介させていただきます。

EU加盟国では、食品を入れるプラスチック製の包装資材について厳しいルールが定められています（EU規則 No.10/2011）。この規則の対象となる「食品」には、レトルト食品やお菓子といった一般消費者が購入する完成品だけでなく、砂糖・食塩・食品添加物などの食品原料も含まれます。このため、弊社で取り扱うプラスチック製の原料袋やクラフト紙袋の内袋として使われるポリ袋も対象となります。

日本国内で使っている袋を、そのままEU向けに使いたいと思う方も多いですが、まずはその袋の素材を確認することが重要です。たとえばポリエチレン袋の場合でも、袋を開けやすくする添加剤や帯電防止剤など、さまざまな成分が使われていて、それらがEU規則で認められていない可能性があります。

EU規則の条件をクリアするためには、大きく３つの要件があります。

1. 1，プラスチック包材を製造するのに使う原材料はユニオンリスト（ポジティブリスト）で
   　  許可されたものに限定すること。
2. 2，輸出する食品の疑似物を実際に使用する包材に入れて溶出検査を行う。
   　  検査の結果が定められた制限以下であることを確認すること。
3. 3，溶出試験の結果に基づいて、包装資材メーカーが当該包材が規則に適合している旨の適合宣言書を作成し、
   　  溶出試験結果と合わせて、食品製造会社や販売会社に提出すること。

要件を満たすための手続きは、基本的に包材メーカー側で対応させていただけます。
ただし、溶出試験については、決められた検査機関に依頼をすることになるため、時間と費用が掛かってきます。

1. ・期間：最低でも3か月以上（６カ月程度かかることも）
2. ・費用：数万円～数十万円（内容によって変動）

当社では、食品原料メーカー様がEU加盟国に輸出をされる際の規則に適応したプラスチック包材の手配をさせていただくことが可能です。お客様からのご相談に応じて、適合素材の選定、第三者機関での溶出試験の手配、適合宣言書の取得まで、一貫してサポートをさせていただきますので、検討中の方がいらっしゃいましたら気軽にご相談ください。

～ご参考～
EU規則No.10/2011について、農林水産省のホームページに資料が公表されているので、紹介させてもらいます。
プラスチック包装　EU規則のまとめ

コラムの監修者

営業

清水　克己

◆包装業界一筋20年。お客様のニーズに沿った紙のご提案をさせていただいております。